【境界物201210142】
原型がハサミであったことはすぐわかる。
支点部分がハサミの命なのだろう。
支店部分が欠損すれば二枚の刃板は分離されて元の姿は容易にはわからないだろうと思う。
ハサミの支店部分が欠落していても、ハサミは刃の形やハサミ独特のカタチなど丁寧に見てゆくことでハサミの全体像に辿り着くことは可能だろうとは思う。
もちろんそれも残された部分の大小や残された部分のカタチによって左右されるだろう。
それにしてもハサミは面白いカタチをしている。
「境界物」を読むことは、推理小説を読むようでもあり、人が物を認識することの現場に立ち会うようなスリリングなことだとも思える。