着物を使った表具のさまざま 本日は「着物と襖」のご案内です
こんにちは広島県尾道市の表具処軸源です。本日は着物を使った表具/襖のご案内をさせて頂きます。



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軸源の襖におけるコンセプトは引き手まわりの保護とそのデザインです。引き手まわりは最も汚れ易い部分で、無地襖などでは特に目に付きやすいものです。そのため引き手まわりの保護やデザインは様々に考えられてきました。旅館や料亭など接客業では頻繁に襖の開け閉てがなされるためその対応として施されているのが「引き手座」や「引き手帯」といわれるものです。これらのデザインは結果的に完成度も高くシンプルであり飽きのこない仕立てとなっています。軸源はそうした対応にもう少しデザイン性を付け加えたいと思い取り組んでまいりました。最初のご案内は白い壁面の洋風ワンルームに、リフォームされた広い部屋に襖が2枚だけという設計でしたので、青色が基本色の変化のある格子柄を使いました。左側の襖側から出入りするという造りでしたので、左側の引き手まわりにのみ着物を施しました。そうすることでデザインの自由度が圧倒的に高くなりました。10年くらい前の仕事ですが、この襖が当店の基本的なデザインの一つとなりました。


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二番目のこの写真は広い部屋に対して設計された五枚立ての襖でした。まだ新しかった襖の五枚に小さいとはいえ気になる破れがありました。そのため張り替えず破れをフォローしつつしかも引き手まわりの保護とそのデザインが課題となりました。さらに接客用に設けられた空間という条件もありました。お客様に楽しんでいただけるものとして「交わり」をデザインのテーマにいました。右から二枚目と三枚目の襖から出入りするという事でした。結果、このような襖に仕上がりました。





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三枚目のこの襖も軸源の基本敵デザインの一つです。この襖のご依頼者は書家の方です。そのために書道に結びついたデザインがいいなと思ったのでした。幸いにこのプランを承諾頂きあとはああでもない、こうでもないの格闘が始まりました。さその結果は、この「レ」ににたこの形、習字の基本のひとつの「はね」を取り入れたものとなりました。これまでにご案内いたしました引き手周りに使われている着物はすべて縞柄か格子柄です。軸源の施工します引き手周りのデザインは必ずといってよいほど着物を折りたたむ構成を取り入れています。それには理由があります。基本的に縞柄や格子柄を使うのは着物を折りたたんでいることを見る人に伝わりやすくするためです。(ただ、縞柄は個人的な好みでもあるのですが)



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この両開きの襖を開ければ仏壇が設えられています。三番目の写真でご紹介しました書家の先生の稽古場です。この写真の右隅に見えているのが先ほどご紹介しました「レ」の襖です。襖の取っ手が微笑んでいるようです。





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さてこの襖は縞柄でも格子柄でもありません。ご依頼者の母になられる方の一周忌に設えたふすまです。お亡くなりになったお母様が大変着物を愛されており、ついては日頃身に着けていた着物を使って襖を造りたいというご希望でした。この襖を開ければ仏壇があります。





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この写真の小襖は先ほどの両開き襖と同じ着物で造られています。仏間の左側に設えられています。「レ」ではありますが、はねの延長線上に仏間に張り込んだ
故人の着物に目が行くようにと思った末の「レ」です。





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この襖は一人暮らしとなたったご婦人からのご依頼でした。日頃の寂しさを紛らしてくれるようにということでした。八畳間に無地襖が10枚ありましたので、一人暮らしには確かに少し寂しいかなとかんじました。かといって派手にならずこの部屋に馴染むような着物の選定とデザインを考えました。


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この襖はかって「尾道不定形興行」という無名者による表現の様々を、出品者は限定せず勝手に増えたり減ったりし、代表者もまた暫時だれかが引き受けることで成り立ってゆくまさに不定形であることの自由をコンセプトに持つ興行一座があり、そこに出品した時のものです。本日の最初にご紹介しました襖のデザインを左右変換したものです。縞柄がはっきりとわかり、折りたたんだときの表情の面白さをシンプルにデザインしてみました。
他にもご紹介したい写真はあるのですが一年以上ブログから遠ざかっていたものですから戸惑いながらやっております。根気よくやっていきたいと思っております。どうぞよろしくお付き合いくださいませ。




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by jikugen | 2015-02-01 15:34 | | Comments(0)
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