南 「座禅が深くなると、自意識が脆いものであるというのが
一発でわかる。 感覚がばらけて統合されなくなり 点滅しているような状態になるんです。 身体感覚が変化して、 身体の内側と外側のイメージが全然違ってきます。 そして、自分というものへの感覚が ものすごく曖昧だっていうことがすぐわかる。」 と 『茂木健一郎 / 南直哉 人は死ぬから生きられる』 脳科学者と禅僧の問答 新潮新書 のなかで南直哉さんが語っています。 対談に臨んで南直哉さんのもとで 座禅を体験した茂木健一郎さんが語ります。 茂木 「なんか複数の自分がいる状態ですね。 複数の自分が一つの身体を争っているって変なんだけど そういう感覚でしたね。」 南 「そういう感覚を覚えると、 逆に、一定の条件にならないと一人の自分にならない、 ということがわかるんです。 自意識というのは一定の秩序や制度の中でしか かたまっていかない。 つまり 『自分が自分である』という根拠が、 座禅が深まるとすぐにばらけちゃう。 (略) 」 南 「結局、自己っていうのは作っていかなきゃいけないものなんです。 (略) 自己をもう一回作り直すしかない」 私にとって 30数年前のある日突然日常の中で自己がばらけた体験が 座禅をとおすことで見えてくるものがあったのだ。 それにしても仏教はすごいではないか。
by jikugen
| 2009-05-18 08:23
| 表具日記
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