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表具日記【織物を額装する】表具とは
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広島県府中市の宮さんの葛布の織物作品の額装です。(写真が滅茶苦茶悪く申し訳ないです)

宮さんは自生の葛をご主人と息子さんとのご協力を得て、一から葛布を織り上げてこられました。
写真の作品は17年ぐらい前岡山市の丸善ギャラリーで開催された、宮さんと河口さんとの2人展の時のものです。

額素材
ステンレス板(菱形枠の上下にある三角形部分・塗装)
ステンレス枠
パネル



自生の葛を採取するところから始めて煮込み、洗い、乾燥、糸作りなどを経て手織りにと至る大変なお仕事です。その最後の仕上げが額装や屏風、掛け軸なのですから表具屋としては気合いが入ります。写真の額は葛の風合いや織り模様パターンの面白さを如何に活かすかがテーマとなりました。作品正面には保護のためのアクリルガラスは付けませんでした。
葛布の自然な風合いとステンレスのシャープさと幾何学的な三角形とで錬金術のような世界の出現を目論んだのでした。錬金術とは何を大仰な、と思われるかもしれませんが、表具は保護だけが目的で生まれたというより、保護行為それ自体が様々な思念の凝縮されたものなので、錬金術もそのうちの一つだと思うのです。様々な要素を組み合わせることによって新たな生命を生むことが錬金術だとすれば、表具は錬金術を目指すものだと言えます。
細胞膜が内部と外部を分かつことで生命現象が生じたように、表具も内部と外部を分かつことで新たな生命を生じさせようとします。中心と言い内部と言いうものはそれ自体で存在するのでは無く、周縁や境界によって始めて存在するものです。厳粛な気持ちです。














     
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by jikugen | 2012-04-30 08:36 | | Comments(0)
今井政之【今井政之先生の陶板を額装しました】
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今井政之先生作陶扇面形

額素材   秋田杉柾目

壁面に飾り付けた時の写真が見つかりません。
写真撮影のためアクリルガラスは取り外した状態です。
今井政之展示館今井政之陶芸の館で今井先生の作品を見ることが出来ます。
潮風にあたりながら瀬戸内海沿いのドライブは気持ちいいですよ。
今、呉美術館ではミロ展を開催中、呉市下蒲刈島の蘭島閣美術館では野田弘志の特別展「写実の息吹」を開催等、誘ってますね。
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by jikugen | 2012-04-29 10:45 | | Comments(0)
表具日記【掛け軸修復ビフォー・アフター】
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by jikugen | 2012-04-29 09:22 | 修復 | Comments(0)
表具日記【仮名書・中本桃水先生の書を額装する】
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尾道の書家・中本桃水先生の個展作品(1985年頃)です。


薄霧を紅染めて山々は暁空に低く連なる    清水比庵

岡山県での光景を歌った訳ではないかもしれませんが、山懐が深くいろんな表情を見せる岡山に魅入られた比庵は、賛美を基底に多くの歌を残したのでしょうね。
比庵さんの歌の益荒男振りは僕たちまで大らかな気持ちにさせてくれる。




作品寸法は確か全懐紙だったと思います。

ウレタン樹脂塗装黒艶消し
外縁溝・裂地嵌め込み
落としタイプ
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by jikugen | 2012-04-28 08:58 | | Comments(0)
表具日記【パッチワークパネル額】
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少しだけ大きくします。

1985年頃の仕事だと思います。
染色とパッチワーク等をなさっていた方からの仕事でした。
思い入れの強いパッチワークをそれに見合う額にいれたいというご希望だったように記憶しています。飾る予定の場所を見せていただいてイメージ・製作に取りかかりました。
その時の写真です。
気に入って頂けて僕も嬉しかったですね。

額自体の大きさは900X900X60(㎜)
ウレタン樹脂塗装黒艶消し

それ以降はパッチワークのみならず書にも使うようにしました。
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by jikugen | 2012-04-27 07:40 | Comments(0)
表具日記【水墨鴉図掛け軸】修復ビフォー・アフター
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修復前

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修復後


水墨鴉図と書きましたけれども鴉ではないかも知れません。(かなり昔のことなので、すみません040.gif
作者名はわかりませんが江戸後期に描かれたものではないかと思います。
止まっている枝に対しては大きな鴉です。
しかもかなりの枝先に止まっているので折れてもよさそうなのに、撓んだように描いています。
もう少し枝先であれば、またもう少し大きな鴉であれば折れているに違いない。
この鴉は羽を休めようとしてこの枝を見つけこの枝のこの位置に止まった。
何の計らいも無くそのようにその枝の其処に止まるべくして止まったことに深く驚かされたのではないか。それにしても何故折れるかも知れないギリギリの位置に止まったのだろうか。人間には計り知れぬ絶妙としか言えぬ世界だ。
その絶妙さを描きたかったのではないだろうか。
人間では不可能だとおもわれることを自然のうちに体現している鴉に同化することが描くことである。
この作者はそのように言いたかったのかもしれない。
この絵における作為感の無さは、自然というものを描くことに成功していることからくるのではないだろうか。

江戸期までの日本画に限ってもさまざまな鳥が描かれてきた。
それこそ、今日取り上げた鴉、鶏、鳩、百舌、雲雀、鶴、孔雀、鷲、鷹、鳶、燕、雀、鶯、軍鶏、雲雀、鴛鴦、鴨、千鳥、木菟、想像上の鳥では鳳凰など多彩だ。
辞典に頼らなくともこれくらいは思い出せるので、ひょっとしたら全ての鳥が描かれているのじゃないかとも思える。
これらの鳥の中で鴉は独特の位置付けを持っているように思う。
鴉だけが二面性を有する扱いである。(ちがうかもしれません)
またカラダの色については鴉だけが一色だ。(ちがうかもしれません)
鶴も白一色としてもいいのですが、丹頂鶴がいますから・・・・・・・・・・。

今日も思いつきだけで書いてしまいました。

ついでに抜け落ちた一般的な鳥を書いて見ます。

信天翁、白鷺、川獺、よしきり、るり、尾長鶏、鵜、鴎、郭公、鶖、雉、翡翠、鶺鴒、鸛(コウノトリ)、古樹警、五位鷺、四十雀、梟、鶫(つぐみ)、燕、朱鷺、隼、鵯(ひよどり)、ブッポウソウ、画眉鳥(ほおじろ)、不如帰、目白、雷鳥、鶉(うずら)

まだまだありますがその多くは鳥の前に大がつきます。たとえば大白鳥、大鷲、オオヨシキリ、とかです。
一般的な鳥はおおよそ50種ですね。
多いのか少ないのかよくわかりません。
皆さんはどう思われますか?
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by jikugen | 2012-04-26 07:10 | 修復 | Comments(0)
表具日【我が子へのエールを額装する】
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器械体操をやっている息子さんへお母さんからのエールを額装しました。
熱いですね。
昔、器械体操をやっていた自分に重ねて額をイメージしながら制作しました。

素材 ステンレス角材溶接止め
   ウレタン塗装黒艶消しパネル
   作品台細縁浮かし型

書の社中展での仕事でしたが展示の仕方に難ありでした。
壁面に釘が打てなかったのでワイヤーが見えてしまいました(残念!)。
器械体操をやっていた息子さんはその後どうされているのだろう?
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by jikugen | 2012-04-25 07:25 | | Comments(0)
表具日記【染め作品を額装する】染め・柳垂華子先生
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尾道の染織家・柳垂華子先生の染め作品です。
柳垂先生主宰の社中展(1985年?)の時の仕事です。
その社中展の時には屏風・衝立またいろんな額やパネルを作らせて頂きましたが、こんな遊びの額があってもいいだろう、と作らせていただきました。

楕円パネルにウレタン黒艶消し
円形チーク材を嵌め込みました。
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by jikugen | 2012-04-24 07:18 | | Comments(0)
表具日【江戸期・尾道の女流画家ー平田玉蘊】修復のビフォー・アフター
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修復前



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修復後


2012年4月14日の軸源・表具日記でご紹介いたしました平田玉蘊の海鷲図(修復前)の仕立て直し(修復後)の写真が見つかりましたので修復前と修復後を併せてご紹介致します。

尾道市浄土寺に現存する平田玉蘊作の衝立画に「軍鶏図」があります。玉縕の代表作の一つとされていますが、その「軍鶏図」に連なる鳥獣図ではないでしょうか。荒海に突き出た岩上の海鷲の鋭き眼光は、まさに当時の玉蘊の心境を写すものだったように思えます。手元に資料のないまま書いているので確かではありませんが、頼山陽との確執が影響しているのかもしれません。(調べてみます)
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by jikugen | 2012-04-23 07:08 | 修復 | Comments(0)
表具日記【半切横・黒パネル浮かし艶消し】

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福山・書家寺田扇舟先生主宰の「煌扇の会」においてのお弟子さんの作品です(17,8年前のことですが)
黒艶消しパネルに着物を張り込みました。
作品台は3㎜幅の細縁で、パネル裏からのビス止めです。

ほんとに黒を多用していることに我ながら驚きです。
でも黒(艶消し)は書に寄り添い、書の世界の深さを明示しているようです。
そのあたりが多くの人が黒(艶消し)に魅せられる所以でしょうか。





今日はは日曜なので内田樹先生の漫画論を読みたいと思ってます。
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by jikugen | 2012-04-22 08:38 | パネル額 | Comments(0)



尾道・表具         表具処 軸源           (店主 津口知幸)
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