極月や影明瞭と裏切りと
12月に入った朝
見たこともない
大きく傾斜した矩形の影が
川岸に映っていた。
一瞬
何の影だか解らなかった。
ほどなくして
影の本体が何であるか解る。
20メートル程離れた橋に立てられてある
交通安全のための
大きな広告塔だった。
岸は垂直に立ち上がっているので
予想もしない影が生まれたりするのだ。
冬の太陽は低く上ってきて
遠くから細く長い影を映し出す。
明瞭なる矩形。
見慣れない影だったとはいえ
影の本体はすぐ近くにあるものだという
固定観念を裏切られたのだった。
この拙句は
影を具体性から離れて
心の影と重ねてみたものです。
12月いや極月が孕むであろう影。
by jikugen
| 2008-12-04 07:17
| 表具日記
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尾道・表具 表具処 軸源 (店主 津口知幸)
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