表具において
中心となる本紙(作品)とその周縁に位置する表具との関係を 俳句における二物衝撃に喩えることが可能だと思う。 表具裂の模様や色が本紙(作品)と近すぎることは トートロジーであって表具の意味を自ら捨て去るようなものだと 思える。 一般的に表具を語るとき 本紙の邪魔をしてはいけないとか 本紙が主で表具は従であるとかが表具論の根本として 語り継がれて来たように思う。 そうすること本紙が引き立つように表具することなどを 表具師は心懸けるのですが この世に表具が生まれた現場に立ち会おうとすること 様々な表具の試みがなされることが必要だ。 夏を表現するときに暑いという喩えは 近すぎて意味が発生しないようなことが 表具における本紙と表具裂の模様や色との 取り合わせにも言えると思う。 俳人の黛まどかと茂木健一郎との共著「俳句脳」のなかで 「二物衝撃」について黛まどかは次のように書いています。 ”‥‥俳句の中では異質な言葉が出会い、ぶつかり合い、 掛け算の関係になって飛翔します。 言葉と言葉の出会いによって、それまでそれぞれの言葉の 世界ではありえなかった新しい次元を作り出すのです。 これを俳句の世界では 「二物衝撃」とか「モンタージュ」「二句一章」などといいます。 この二物を結婚に喩えると、 一句の中では似たもの同士はいっしょになれません。 まったく違う性格の者同士がお似合いのカップルになれます。 しかしまったくすれ違ってばかりの二人では駄目です。 一見とても違う二人なのだけれど、 どこかに響きあうところを持ったもの同士がいいのです。 フランス料理で、 ワインと相性のいい料理を組み合わせることを 「マリアージュ」といいますが、 まさに俳句もマリアージュなのです。” 「俳句脳」より 河村ひさ舟かな書展が 尾道画廊珈琲孔雀荘で始まります。 本日はその飾り付けです。 軸源が表具をさせていただきました。 軸源の表具日記 2009/10/31
by jikugen
| 2009-10-31 07:57
| 表具日記
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